一般学級の友達を「ホーム」に招待しよう!自ら行動を起こした情緒学級の子ども達(すず)

ハルは自閉症スペクトラム。診断を受けて4年。彼が5年生になったときのことです。給食や体育・特別行事の時は、一般学級の子どもたちとの「交流」の時間がありました。

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でも全然楽しくない。むしろ苦痛。何の理由もなくクラスメイトから「ばーか」といわれる。誰のせいでもなくいわれるんです。

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一般学級の子に中傷され、自ら行動を起こした情緒学級の子ども達

なぜかというと、情緒学級の子どもだから。でも、言う子もたいがい決まっています。中傷には敏感に反応します。クラス結束して
「返事してしまう。」
「無視できない。」
「先生が止めに入る。」
「話し合う。」
「お互いにごめんね。」

翌週の交流~
「ばーか」「反応」「化学反応!」
個人で先生に直談判しては説得され、我慢し。気を取り直して出かけてもまた一般学級との溝は埋まらず。ストレスはたまっていたのです。

「一般学級にはいきたくない!」

一学期の始業式、皆で机を並べその上に立ち、肩を組んでやってきた先生に向かって、
「もう二度と行きたくない!授業も受けない!」これまで昼休みや放課後、事あるごとに友だちと口々に話していました。自分一人で友達に言っても無理。先生に話しても無理。じゃあ、みんなで一緒に言ってみよう!6人で一緒にもう一度。

新学期、この学級担任でお越しになったM先生は、さぞびっくりされたんじゃないかと思います。今までの先生も親身に子どもたちのことを思っていた先生でした。これまではそれぞれ何かにつけスタンドプレーだった子どもたちが、自分のことをお互いに話しあって取った自発的な集団行動でした。M先生は、なぜこんなことになったのか、一人ずつ話を聞いてくれました。

「ハルたちは『アウェー』にいる」

これまで、ハルたちはこの教室を出るのが目標でした。中学校に上がったら、学習が教科担任制になります。情緒学級の教室はあるけれど、学習に入る前の朝と終わった後の帰りに教室に集合するだけで、あとはずっと一般学級で学習しなければなりません。

高学年になると、少しずつ一般学級で過ごす時間を増やし、6年生ではほぼ中学生生活にあわせた学習スタイルにするのがこれまでの先輩のやってきたことでした。

一般学級での学習は「何か言われるんじゃないか」「なにかされるんじゃないか」そのことばかりが気になり、学習できる環境がなかなか作れないでいたことを懸命に訴えたのです。M先生はその後、校長先生や担当の先生と話し合ってくれていました。

M先生は言いました。
「昨日六人全員の話を聞いて思いました。君たちは今まで、『アウェー』にいたんだ。さみしかったね。でも、もういかなくてもいいよ!これからはずっとこの教室で勉強する。そしていつか、一般学級の子どもたちをこの教室「ホーム」に呼ぼう!」
と言ってくれたのです。ハルたちはとても喜び、興奮していました。

親の心配をよそに、『ホーム』の結束

M先生は、
「親たちに多くは話さず、まずは見守っていきたいので、細かいトラブルはお話しません。お任せください。」
と言われました。
そのボイコット事件を知らせてくれたのは二学期末の懇談会。親たちはとても驚き、でも、わが子の成長を感じ取った瞬間でした。そんな親の気持ちとは裏腹に、子どもたちの団結や結束は日増しに強くなり、情緒の子ども同士のトラブルが減り、また自然と解決するようになりました。

やがて、「一般学級」の子たちが数名ずつ、給食の時に「情緒学級」へ来てくれるようになりました。迎える時のハルたちの表情は、これまでとうって変わり、そわそわワクワク!まだ始まったばかりなんですけどね。

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