返事はできなくても…、心に響く挨拶(このか)

息子のドラは現在7歳で特別支援学校に通う小学1年生。重度の知的障害を伴う自閉症です。

朝スクールバスのバス停まで向かう道のりで
「ドラくん、おはよう」「ドラくん、いってらっしゃい」
とたくさん声をかけていただきます。

本人は知らんぷりですが、時にごく小さな声で「おはよ」と言っていたり、通り過ぎてからご機嫌で手を叩いたりしています。それがドラの表現で理解してくれている人たちは例え返事がなくとも毎日にこやかに挨拶をしてくれます。

このように地域との関わりが持てる様になったのは、約2年前に近所の保育園に入園したことがきっかけでした。

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かけがえのない保育園での1年間

5歳当時で発達年齢は2歳ほど、普通の5歳児とはまるで違います。重度の障害があるからこそ、就学を1年後に控え進路を考えたときの選択肢は支援学校しかなく、地域の子どもとしての普通の日常、健常のお友達と一緒に過ごせる機会は生涯で今しかないと、思いきって入園を決めました。

結果としてその1年間は、今につながる貴重で感謝のつまった時間になりました。
子どもたちは最初喋ることができず、自分たちとは明らかに違う子の登場に驚いた様子もありましたが、2週間もしないうちに仲間として積極的にサポートしてくれるようになりました。加配としてついてくれた若い保育士さんは「トイレでオシッコが出た」と飛び跳ねて喜んでくれたこともありました。

療育のような専門性はありませんが、障がいという枠から見ることをせず、ひとりの子どもとして可愛がってくれる園の雰囲気が、私にとっては新鮮で嬉しいものでした。朝「保育園行くよ」と言うと「ほーくえん」とよそ見をしながらもニッコリ笑う、ドラにとっても園がかけがえのない自分の居場所になっているようでした。

1年という月日はあっと言うまに過ぎ去り卒園式の日、厳粛な雰囲気な中でも「ほ~ほ~」と奇声を上げるドラですが、保護者の方々も誰も奇妙な目で見ず「がんばったね」「おめでとう」と温かい言葉をかけてくれました。保護者の方とはあまり接点はなかったのですが、子どもたちがちゃんと説明してくれていたのです。

現在、地域とは少し離れた支援学校に通う日々ですが、朝「おはよう」と声をかけてくれるのは、保育園での繋がりのあった人たちと、そこから広がった人脈です。

人とのつながりが何よりも大切な財産

自閉症はコミュニケーションの障がいで気持ちを上手く表すことができませんが、決して人が嫌いなわけではありません。ドラに向かって声をかけてくれる人がいるだけで、毎日が清清しく活力に満ちたものになります。そしてドラの心にも必ず響いているはずです。

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これから何十年か先、ドラは私以外の支援者さんと外を歩くことになるでしょう。その時にも名前を呼んで声をかけてくれるような人脈を広げていくこと、それが私がドラに残せる最大の財産だと思っています。

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